歯科疾患管理料の算定要件と留意点~個別指導対策①~

個別指導の中で算定要件不足が指摘されることの多い項目の一つとして、歯科疾患管理料(通称:歯管)が挙げられます。

せっかく歯科疾患管理をしていても、算定要件が不足していることによって保険請求が認められないのは不本意なことといえます。

今回は、歯科疾患管理料の算定要件と留意点について説明いたします。

1 歯科疾患管理料とは?

歯科疾患管理料とは、以下の場合により算定することができる項目をいいます。

継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者(有床義歯に係る治療のみを行う患者を除く。)に対して、口腔を一単位としてとらえ、患者との共同により行う口腔管理に加えて、症状が改善した歯科疾患等の再発防止及び重症化予防を評価したものをいい、患者等の同意を得た上で管理計画を作成し、その内容について説明した場合

なお、管理計画に基づき、患者等に対して歯科疾患の管理に係る文書を提供した場合は、文書提供加算がされます。

2 歯科疾患管理料算定の流れ

歯科疾患管理料は、「継続管理」となっており、1回目の歯科疾患管理料と2回目以降の歯科疾患管理料とで患者様への説明や診療録への記載が変わってきますので、以下では1回目と2回目以降の歯科疾患管理に分けて解説します。

2-1 1回目の歯科疾患管理料

1回目の歯科疾患管理料は、「継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者」に対し、患者等の同意を得て管理計画を作成し、その内容について説明を行った場合に、初診日の属する日から起算して2月以内1回に限り算定できます。

1回目の歯科疾患管理料は、歯科疾患管理が必要な患者かどうかの判断や管理計画の作成をしなければならず、その要点を診療録に記載しなければなりませんので、歯科医院側においてすべきことが多いといえます。

管理計画は、以下の事項を診療録に記載すべきとされています。

  1. ①患者の歯科治療及び口腔管理を行う上で必要な基本状況(全身の状態、基礎疾患の有無、服薬状況、喫煙状況を含む生活習慣の状況等)
  2. ②口腔の状態(歯科疾患、口腔衛生状態、口腔機能の状態等)
  3. ③必要に応じて実施した検査結果等の要点
  4. ④治療方針の概要等
  5. ⑤歯科疾患の継続管理を行う上で必要となる情報

2-2 2回目以降の歯科疾患管理料

2回目以降の歯科疾患管理料は、1回目で歯科疾患管理料を算定した患者に対して、管理計画に基づく継続的な管理を行っている場合で、歯科疾患の管理及び療養上必要な指導を行ったときに、1回目の歯科疾患管理料を算定した日の属する月の翌月以降月1回に限り算定できます。

1回目と比べれば歯科医院側においてすべきことは少ないといえます。

もっとも、診療録には、指導内容のほかに、管理計画の進行具合に関する記載や、計画に変更が生じた場合にはその変更内容を記載しなければならず、患者に対して指導すれば算定できるというものではないことに注意が必要です。

3 個別指導でよく指摘される点

上記のように、歯科疾患管理料を算定するために歯科医院側ですべきことは多いため、個別指導においても、算定要件を満たしているかどうかについて細かく調査され、算定要件を満たしていない部分があれば指摘がなされます。
個別指導においてよく指摘されることについては、以下が挙げられます。

  1. ・継続的管理を必要とする歯科疾患を有する患者(有床義歯に係る治療のみを行う患者を除く。)に対しての歯科疾患管理ではない。
  2. ・1回目の管理計画を診療録に記載していない。
  3. ・管理に係る要点、管理計画の変更があった場合の変更内容、それを患者等に説明したこと等を診療録に記載していない。
  4. ・継続管理を行っていない。
  5. ・診療録の記載が画一的であり、個々の患者の症例に応じて記載していない。

4 まとめ

今回は、歯科疾患管理料のうち、基本的な事項の算定要件と留意点について解説しました。
訪問診療における場合や入院中の患者に対する歯科疾患管理、子供の患者のう蝕等の管理については、別途の注意が必要となります。
より詳細な要件は、「歯科点数表の解釈」にまとめて記載してありますので、一読をお薦めします。

治療のために必要と判断して行った歯科疾患管理が保険請求として認められないというのは、先生方にとっても残念な結果といえます。
そのような事態にならないよう、算定要件を遵守した治療を行っていただければと思います。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士櫻井良太
歯科医院を経営する先生方は、診療のことだけでなく、医院の経営もしていかなければなりません。経営に関する問題は様々な法律が関わっており、一筋縄ではいかないものもあります。先生方の経営をお支えします。ご気軽にご相談ください。

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