医療広告で広告可能な事項~医療広告ガイドラインに関するQ&A③

 前々回から、「医療広告ガイドラインに関するQ&A」に基づき、具体的な禁止事例や注意事項を複数回に分けて説明しています。
 今回は広告可能事項に関するQ&Aについて紹介・説明いたします。以前に書いた医療法改正に伴うホームページの広告規制と留意点の記事の図で示すと、赤い矢印で示した部分の説明になります。

医療広告で広告可能な事項~医療広告ガイドラインに関するQ&A③

1 広告可能事項の全体像

 医療法では、広告に該当した場合には、原則として広告可能事項として規定されたものしか記載してはならず(広告可能事項の限定)、例外として、厚生労働省令に定める場合には広告可能事項の限定を解除するという構造になっています。具体的な広告可能事項及び限定解除の要件については、以前に書いた広告してもよい事項とは?~改正医療法における広告規制の解説③~の記事を参照してください。

2 広告可能か否か注意すべき事項

 「医療広告ガイドラインに関するQ&A」では、広告可能事項に該当し、広告可能か否かを判断するために注意すべき事項について説明されています。以下では、その中から、歯科医師の先生方にとって有益と思われるものをまとめてご紹介します。

2-1 歯科医師等の資格、略歴

 歯科医師の専門性に関する資格名は、「広告可能な医師等の専門性に関する資格名等について」(平成25年5月31日付医政総発0531第1号)において広告可能となっている資格名等について広告可能となっています(現在広告可能な資格名は5つ)。広告にあたっては、「歯科医師●●(●●学会認定●●専門医)」のように、認定団体の名称を資格名とともに示す必要があります。
 なお、認定医や指導医などについて、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等については、広告可能事項の限定解除の要件を満たした場合には広告可能となっています。
 また、医療従事者の略歴として、研修を受けた旨の広告も、広告可能事項の限定解除の要件を満たした場合に限り、広告可能となっています。
 研修を受けた旨や専門性に関する医療広告の取扱いは、今後検討予定とのことですので、検討結果が公表され次第情報共有させていただきます。

2-2 インプラントによる自由診療

 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」という)上の医療機器として承認されたインプラントを使用する治療の場合には、公的医療保険が適用されない旨と治療にかかる標準的な費用が併記されている場合に限って、広告可能とされています。
 他方、未承認のインプラントを使用する治療の場合、医薬品医療機器等法において、承認されていない医療機器あるいは承認された用法等が異なる医療機器を用いた治療について、広告可能事項の限定解除の要件を満たしたと判断される場合には広告可能となっていますが、限定解除の要件として、具体的には、以下のような内容を含む必要があるとされています。

  1. ①医薬品医療機器等法上未承認であることの明示
  2. ②入手経路等の明示。あわせて、厚生労働省ホームページに掲載された「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページを情報提供すること
  3. ③同一の性能を有する国内の承認医療機器等の有無の明示。その国内承認医療機器等に流通管理等の承認条件が課されている場合には、その旨
  4. ④諸外国における安全性等に係る情報の明示

2-3 審美治療、ホワイトニング

 「審美治療」という表現で行われる医療行為については、様々な治療の方法が含まれ、そのいずれの治療を提供するのかという点が明確ではなく、誤認を与える可能性があると考えられ、広告可能事項の限定解除の要件に該当しない限り広告できません。
 もっとも、個別の治療法、例えば「ホワイトニング」について、医薬品医療機器等法上の承認を得ている医薬品を使用し、自由診療である旨及び標準的な費用を記載する場合には、広告可能です。

2-4 広告可能事項の限定解除

 広告可能事項の限定解除の要件については、患者様が容易に視認できる状態に置かれていることが必要です。以下のようなケースは容易に視認できる状態ではないとされているので注意が必要です。

  1. ・文字が極端に小さく容易に確認ができないと考えられるもの
  2. ・背景色と同じあるいは同系統の文字色で記載されているなど、配色に問題があると考えられるもの
  3. ・意図的に情報量を増やし、必要事項を見逃すおそれがあると判断できるもの

 また、広告可能事項の限定解除の要件として、問合せ先が記載されていることが挙げられますが、問合せ先として、予約専用の電話番号や、自動音声に対応するのみで問合せに対する折返しの連絡がないような場合には、要件を満たさないとされていますので注意が必要です。同様に、メールアドレスが記載されている場合であっても、受付した旨の返信があるのみで問合せに対する返答がない場合にも同要件を満たさないとされています。

3 まとめ

 「医療広告ガイドラインに関するQ&A」が公表されたことにより、インプラントやホワイトニング等の具体的な治療方法に関する広告規制も明らかになりました。
 医療広告規制は難解なものとなっていますが、違反広告に対する取締りも強化されていますので、Q&A公表を機に、広告規制についてしっかりと理解し、健全な医院運営を目指しましょう。

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弁護士法人ピクト法律事務所
担当弁護士櫻井良太
歯科医院を経営する先生方は、診療のことだけでなく、医院の経営もしていかなければなりません。経営に関する問題は様々な法律が関わっており、一筋縄ではいかないものもあります。先生方の経営をお支えします。ご気軽にご相談ください。

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